秋になると体調が悪くなるのはなぜ?寒暖差・自律神経と東洋医学から考える季節の変わり目の不調
秋になると身体がだるい、朝起きるのがつらい、頭痛やめまいがする、胃腸の調子が悪い、喉や肌が乾燥する。季節の変わり目に起こる体調不良について、寒暖差や自律神経、西洋医学と東洋医学の両面から木氣治療室が詳しく解説します。
結論|秋の体調不良は「寒暖差」だけが原因ではありません
夏の暑さが少し落ち着き、
「やっと過ごしやすくなった」
と思った頃に、
なぜか身体がだるい。
寝ても疲れが取れない。
朝起きるのがつらい。
頭痛やめまいが増えた。
胃腸の調子が悪い。
眠りが浅い。
喉や肌が乾燥する。
このような体調の変化を感じる方がいます。
一般的には、
「季節の変わり目だから」
「寒暖差で自律神経が乱れているから」
と説明されることが多いと思います。
もちろん、気温の変化に対応するためには自律神経が働くため、寒暖差も身体への負担になります。
ただし、秋の不調を寒暖差だけで説明できるとは限りません。
実際には、
夏の暑さによる疲労。
大量の発汗。
食欲低下。
睡眠不足。
冷房による冷え。
冷たい飲食物。
そこへ秋の朝晩の冷えや乾燥が加わる。
このように複数の負担が重なっていることがあります。
つまり秋の体調不良は、
秋になって突然身体が悪くなったのではなく、夏から続いている身体の変化の延長として起きている場合がある
ということです。
秋になるとこんな症状はありませんか?
季節が夏から秋へ変わる頃に、
・身体がだるい
・寝ても疲れが取れない
・朝起きるのがつらい
・頭痛が増えた
・めまいがする
・首や肩がこる
・胃が重い
・食欲が安定しない
・身体が重い
・便秘になる
・軟便や下痢になる
・喉が乾燥する
・肌が乾燥する
・鼻や喉の調子が悪い
・手足が冷える
・眠りが浅い
・気分が落ち込みやすい
といった変化はないでしょうか。
一つひとつを見ると別々の症状に感じます。
しかし、
夏から秋への環境変化をきっかけとして、
複数の症状が同時に現れることがあります。
なぜ秋は体調を崩しやすいのか?
秋の特徴の一つが、
一日の寒暖差が大きくなりやすいこと
です。
朝は涼しい。
昼間はまだ暑い。
夕方になるとまた気温が下がる。
身体はそのたびに、
体温を一定に保つための調整をしています。
暑ければ熱を逃がす。
寒ければ熱を逃がさないようにする。
こうした調整に自律神経が関わっています。
そのため、
一日の中で気温が大きく変化すると、
身体は環境へ何度も対応する必要があります。
もともと元気な方であれば対応できても、
夏の疲労や睡眠不足などが残っていると、
その環境変化がさらに身体への負担になることがあります。
「寒暖差疲労」だけで終わらせない
最近では、
「寒暖差疲労」
という言葉もよく聞くようになりました。
ただし、
寒暖差があれば全員が体調を崩すわけではありません。
同じ気温差でも、
元気に過ごせる方もいれば、
強いだるさや頭痛が出る方もいます。
その違いには、
・夏の疲労が残っている
・睡眠不足
・食欲低下
・運動不足
・ストレス
・冷えやすい
・もともとの体力
・年齢
などが関係している可能性があります。
そのため、
「寒暖差が原因です」
だけではなく、
なぜ寒暖差の影響を受けやすくなっているのか
という身体の状態まで見ることが大切です。
夏の疲れを残したまま秋へ入っていませんか?
秋の不調を考えるとき、
木氣治療室では夏の過ごし方も確認します。
例えば、
猛暑の中で仕事を続けていた。
屋外と冷房の効いた室内を何度も行き来していた。
夜も暑くて眠りが浅かった。
食欲が落ちていた。
冷たいものばかり食べていた。
大量に汗をかいていた。
このような生活が続いていた場合、
秋になる頃にはすでに身体が消耗していることがあります。
そこへ、
朝晩の冷え。
乾燥。
日照時間の変化。
などが加わります。
そのため、
「秋になって急に体調を崩した」
というより、
夏の負担が残っている身体に、秋の環境変化が加わった
と考えた方が自然なケースもあります。
東洋医学では「夏から秋への移行」を見る
東洋医学では、
季節と身体を切り離して考えません。
夏には暑さ。
湿度の高い時期には湿気。
秋には乾燥。
冬には寒さ。
季節が変われば、
身体へ影響する外的な要因も変わります。
しかし、
人間の身体はカレンダーのように、
9月1日になった瞬間に夏の身体から秋の身体へ切り替わるわけではありません。
夏の疲れを引きずりながら、
少しずつ秋へ変化していきます。
その移行がうまくいかないと、
季節の変わり目に体調を崩しやすくなることがあります。
夏に消耗しやすい「気」と「津液」
暑い日は、
身体の熱を逃がすために汗をかきます。
東洋医学では、
汗をかくことで身体の水分である「津液」だけではなく、
「気」も消耗すると考えます。
適度に汗をかくこと自体は自然な反応です。
しかし、
猛暑の中で大量に汗をかく。
暑い場所と冷房の効いた室内を行き来する。
暑さで夜もよく眠れない。
食欲も落ちている。
こうした状態が何週間も続けば、
身体は少しずつ消耗していきます。
そして暑さが落ち着いた頃に、
「身体が重い」
「寝ても疲れが取れない」
「朝起きられない」
という形で不調を自覚することがあります。
秋になって急に弱ったのではなく、
夏に消耗したものを十分に回復できないまま秋へ入っている
ということです。
「気」が不足すると季節の変化に対応しにくくなる
東洋医学でいう「気」は、
単なる元気や気分という意味ではありません。
身体を動かす。
温める。
守る。
臓腑を働かせる。
といった働きを含む概念です。
この気が不足した状態を、
「気虚(ききょ)」
と呼びます。
気虚では、
・疲れやすい
・身体がだるい
・朝起きるのがつらい
・少し動くだけで疲れる
・食欲がない
・冷えやすい
・風邪をひきやすい
などがみられることがあります。
夏に消耗し、
十分に回復できていない身体では、
秋の寒暖差や乾燥へ対応する余力も少なくなります。
同じ気温差でも、
疲れている方ほど影響を受けやすくなる
と考えることができます。
秋なのに「脾」を見る理由
秋と東洋医学というと、
「肺」
を思い浮かべる方もいるかもしれません。
もちろん肺は重要です。
しかし臨床では、
秋だから肺だけを見るわけではありません。
特に確認したいのが、
夏から続く胃腸の状態
です。
東洋医学でいう「脾」は、
西洋医学の脾臓そのものではなく、
食べたものから身体に必要なものを取り込み、
全身へ届ける働きと関係すると考えます。
夏は、
暑さで食欲が落ちる。
冷たい飲み物をたくさん取る。
アイスや冷たい麺類が増える。
食事量が減る。
日本の高い湿度の中で過ごす。
こうしたことが起こりやすい季節です。
その影響を秋まで引きずると、
・食欲が戻らない
・胃が重い
・お腹が張る
・軟便になりやすい
・身体が重い
・むくみやすい
・疲れやすい
という症状が続くことがあります。
東洋医学では、
こうした状態の一つとして、
「脾虚」
を考えます。
「身体が重い」も大切な症状
胃腸が弱っている方では、
胃痛や食欲低下だけが出るとは限りません。
よく聞くのが、
「身体が重い」
という訴えです。
朝から身体が重い。
足が重い。
頭が重い。
何となくスッキリしない。
東洋医学では、
脾の働きが弱ると、
身体の水分をうまく扱えず、
「湿」が停滞しやすくなると考えます。
そのため、
むくみ。
重だるさ。
胃の重さ。
軟便。
などが同時に出ることがあります。
秋になっても身体が重く、
胃腸の調子も戻らない方では、
夏の湿気や食生活の影響が残っている可能性も考えます。
秋は「乾燥」の影響も強くなる
秋になると、
気温だけでなく湿度も徐々に変化します。
夏の高温多湿から、
少しずつ空気が乾燥していきます。
すると、
・口が乾く
・喉がイガイガする
・肌が乾燥する
・鼻が乾く
・咳が出る
・便が硬くなる
といった症状が出る方がいます。
東洋医学では、
過度な乾燥による身体への影響を、
「燥邪(そうじゃ)」
として考えます。
特に、
夏に大量の汗をかき、
すでに津液を消耗している方では、
秋の乾燥の影響をより受けやすくなることがあります。
夏の津液不足が秋の乾燥につながる
秋になって、
「急に肌が乾燥した」
「喉が乾く」
「便秘になった」
という方がいます。
もちろん、
秋の空気の乾燥も関係しています。
しかし身体の中では、
夏の間に大量の汗をかき、
すでに潤いを失っていた可能性があります。
そこへ秋の燥邪が加わる。
すると、
身体の乾燥症状がさらに表面化しやすくなります。
つまり、
秋の乾燥だけではなく、夏からの津液の消耗も見る
ことが大切です。
秋になると便秘が増える理由
秋に便が硬くなる方もいます。
東洋医学では、
肺と大腸には関係があると考えます。
さらに、
便をスムーズに出すためには、
腸に適度な潤いが必要です。
そのため、
夏の発汗による津液の消耗。
秋の乾燥。
食事量の低下。
水分摂取量の変化。
などが重なることで、
便が硬くなり、
排便しにくくなることがあります。
秋の便秘では、
単純に腸を動かすだけではなく、
身体の潤いが足りているか
という視点も大切です。
秋と「肺」の関係
東洋医学では、
秋は肺と関係が深い季節とされています。
ここでいう肺も、
西洋医学の肺という臓器だけを意味するものではありません。
呼吸。
鼻。
喉。
皮膚。
身体の表面を守る働き。
水分の巡り。
などと関係すると考えます。
そのため秋になると、
・喉が乾く
・咳が出る
・鼻の調子が悪い
・肌が乾燥する
・風邪をひきやすい
などの症状が出る方がいます。
ただし、
秋=肺だけを整えればよい
というわけではありません。
夏から胃腸が弱っていれば脾。
疲労が強ければ気。
乾燥が強ければ津液。
冷えが強ければ寒邪。
その方がどのような身体で秋を迎えたのかによって、
見るところは変わります。
朝晩の冷えでは「寒邪」も考える
秋は乾燥だけではありません。
日中はまだ暑いのに、
朝晩は急に涼しくなる時期です。
このとき東洋医学では、
寒さによる身体への影響を、
「寒邪(かんじゃ)」
として考えることがあります。
寒さによって、
気血の巡りが悪くなり、
身体が縮こまるような反応が起こると考えます。
例えば、
・首肩がこる
・腰が痛む
・手足が冷える
・頭痛が出る
・お腹が冷える
・下痢をする
といった症状です。
夏の感覚のまま、
薄着で眠る。
窓を開けたまま眠る。
冷房を強く使い続ける。
このような生活をしていると、
朝方の気温低下によって身体が冷えてしまうことがあります。
秋は「暑い・乾燥・冷え」が混在する季節
秋口の難しいところは、
完全に寒くなったわけではないことです。
朝は涼しい。
昼は暑い。
夜はまた涼しい。
身体は一日の中で、
暑さと寒さの両方へ対応しなければなりません。
さらに少しずつ乾燥も始まります。
東洋医学的に見ても、
秋口は、
暑さ・乾燥・寒さなど複数の環境要因が混在しやすい時期
です。
そのため秋の体調不良を、
冷えだけ。
乾燥だけ。
自律神経だけ。
と一つの原因で説明しないことが大切です。
『黄帝内経』では秋をどう考えているのか
古典『黄帝内経・素問』には、
秋について、
「秋三月、此謂容平」
という言葉があります。
秋の三か月は、
夏に盛んだった自然界の活動が、
少しずつ落ち着いていく時期として捉えられています。
現代の生活では、
季節が変わっても仕事量は変わりません。
夜遅くまでスマートフォンを見る。
冷暖房によって季節感も薄くなる。
自然環境は秋へ変化しているのに、
生活だけは夏と同じ。
ということも少なくありません。
秋は、
夏と同じペースで活動し続けるのではなく、
少しずつ身体を落ち着かせ、回復へ向ける季節
として考えてみてもよいと思います。
秋に不調が出やすい4つのタイプ
ここまでの内容を、
自分の身体と照らし合わせやすいように、
4つのタイプに整理してみます。
実際には、
複数のタイプが重なっていることも少なくありません。
タイプ① 夏の疲れを引きずる「気虚タイプ」
こんな症状が目安です。
・身体がだるい
・寝ても疲れが取れない
・朝起きるのがつらい
・少し動くだけで疲れる
・食欲がない
・息切れしやすい
・冷えやすい
・風邪をひきやすい
夏の暑さや発汗、
睡眠不足などによって気を消耗し、
回復しきれないまま秋へ入っている状態です。
「涼しくなったのに疲れが取れない」
という方では、
夏からの消耗を考えてみる必要があります。
タイプ② 胃腸の疲れが残る「脾虚タイプ」
こんな症状が目安です。
・食欲がない
・食後に眠くなる
・胃が重い
・お腹が張る
・軟便や下痢になりやすい
・身体が重い
・むくみやすい
・疲れやすい
夏の暑さや冷たい飲食物、
湿気などの影響を受け、
胃腸の働きが秋まで戻っていない状態です。
このタイプでは、
「体力をつけなければ」と無理に食べるより、
まず胃腸が食事を受け取れる状態を作ることが重要です。
タイプ③ 喉・肌・便が乾く「津液不足・燥タイプ」
こんな症状が目安です。
・喉が乾く
・口が乾く
・空咳が出る
・鼻が乾燥する
・肌がカサカサする
・便が硬い
・便秘になった
・目が乾く
・唇が乾く
夏の発汗によって津液を消耗したところへ、
秋の乾燥が加わった状態です。
水分補給は重要ですが、
東洋医学では量だけではなく、
身体がその水分を適切に使えているかも考えます。
タイプ④ 朝晩の冷えに弱い「寒邪・冷えタイプ」
こんな症状が目安です。
・手足が冷える
・朝方に身体が冷える
・首肩がこる
・腰が痛む
・頭痛が出る
・お腹が冷える
・下痢をする
昼間の暑さに合わせて薄着をしていると、
朝晩の気温低下によって身体が冷えてしまうことがあります。
寝具や冷房が夏の設定のままになっていないかも確認してみてください。
実際には「混合タイプ」が多い
実際の臨床では、
きれいに一つのタイプだけに当てはまる方ばかりではありません。
例えば、
夏の暑さで気を消耗する。
食欲も落ちて脾が弱る。
汗をかいて津液も減る。
そこへ秋の乾燥と朝晩の冷えが加わる。
すると、
疲れる。
食欲がない。
身体が重い。
喉が乾く。
便秘になる。
足が冷える。
という症状が同時に現れることがあります。
一見バラバラに見えても、
夏から秋への身体の変化として見ると、一つの流れとして理解できることがあります。
「秋バテ」という病名だけで身体を決めない
秋に起こるだるさや疲労感を、
「秋バテ」
と表現することがあります。
分かりやすい言葉ではありますが、
「秋バテだからこの対策」
と全員同じに考えることには注意が必要です。
同じ疲労感でも、
夏の消耗が中心なのか。
胃腸が弱っているのか。
乾燥が強いのか。
冷えが強いのか。
身体は一人ひとり違います。
木氣治療室では何を確認するのか
季節の変わり目に体調を崩した方が来院された場合、
木氣治療室では、
現在の症状だけではなく、
そこに至るまでの経過を確認します。
例えば、
「いつ頃から体調が悪くなりましたか?」
「夏は食欲がありましたか?」
「今年は汗をたくさんかきましたか?」
「冷房の中にいる時間は長かったですか?」
「便は硬いですか?軟らかいですか?」
「口や喉は乾きますか?」
「水分は欲しくなりますか?」
「手足は冷えますか?」
「夜は眠れていますか?」
「朝起きたときに疲れは残っていますか?」
「ストレスは増えていませんか?」
などです。
そして、
脈。
舌。
身体の状態。
を確認しながら、
今どのような変化が起きているのかを考えていきます。
「自律神経を整える」で終わらせない
季節の変わり目の不調では、
「自律神経を整えましょう」
と言われることがあります。
体温調節。
睡眠。
胃腸の働き。
などには自律神経が関係しています。
ただし、
自律神経という言葉だけでは、
なぜその方が季節の変わり目に弱いのかまでは分からないことがあります。
食事量が落ちているなら、
胃腸の状態を見る。
乾燥が強ければ、
身体の潤いを見る。
冷えが強ければ、
寒さの影響を見る。
精神的な負担が強ければ、
ストレスや睡眠も確認する。
木氣治療室では、
「自律神経」という一つの言葉にまとめ過ぎず、その人の身体に何が起きているのかを細かく見る
ことを大切にしています。
秋だから「肺のツボ」とは限らない
秋は肺と関係が深い季節です。
しかし、
「秋だから肺のツボ」
「疲れているから足三里」
と症状や季節だけでツボを決めるわけではありません。
脾が弱っている方。
気が不足している方。
津液が不足している方。
寒邪の影響が強い方。
同じ秋の不調でも身体は違います。
そのため、
実際の施術では、
その日の脈や身体の状態から、
施術する場所や刺激量を決めます。
木氣治療室では刺激量も大切にしています
夏の疲れを引きずっている方では、
身体がすでに消耗している場合があります。
そのような状態で、
必要以上に強い刺激をすると、
施術後に疲労感が強くなる方もいます。
木氣治療室では、
鍼を深く刺すことだけを治療とは考えていません。
身体の状態に合わせて、
散鍼やていしんなども用いながら、
刺激量を調整します。
大切なのは、
強い刺激ではなく、その日の身体に必要な刺激
だと考えています。
季節の変わり目ほど「今日の身体」を見る
身体は季節によっても変化します。
昨日まで暑かった。
今日は急に涼しい。
湿度が下がった。
台風が近づいている。
こうした環境変化によって、
患者さん自身が自覚していなくても、
身体の状態が変わっていることがあります。
そのため、
前回と同じ症状だから、
前回と同じ治療。
とは限りません。
毎回身体を確認し、
その日の状態に合わせて施術を組み立てます。
「前回どうだったか」と同時に、「今日どうなのか」を見る。
季節の変わり目では特に大切です。
秋の体調不良を残さないためのセルフケア
秋の体調不良を予防するために、
特別なことをする必要はありません。
夏の生活から秋の生活へ、
少しずつ切り替えていくことが大切です。
① 食欲が落ちているなら一度に食べ過ぎない
夏から食欲が戻っていない方が、
「体力をつけるために食べなければ」
と無理をすると、
胃腸に負担がかかることがあります。
・一回の量を減らす
・よく噛む
・脂っこい食事を続けない
・冷たいものばかりにしない
・自分の食欲に合わせる
ことを意識してみてください。
無理にたくさん食べるより、
胃腸が食事を受け取れる状態を作る
ことが重要です。
② 冷たい飲食物を少しずつ減らす
秋になっても、
日中は暑い日があります。
そのため夏と同じように、
冷たい飲み物。
アイス。
冷たい麺類。
などを取り続けることがあります。
冷たいものを一切取ってはいけないわけではありません。
ただし、
朝晩の気温が下がってきたら、
食生活も少しずつ秋へ切り替えてみてください。
特に、
朝から胃が重い。
お腹が冷える。
軟便になる。
手足が冷える。
という方では、
常温や温かいものを取り入れてみるのも一つです。
③ 秋の食養生は身体に合わせる
秋には、
梨。
れんこん。
大根。
白きくらげ。
山芋。
ごま。
などが食養生として紹介されることがあります。
特に、
口や喉が乾く。
便が硬い。
肌が乾燥する。
という方では、
身体の潤いを意識するのもよいでしょう。
ただし、
「秋だから梨をたくさん食べればいい」
というわけではありません。
お腹が冷え、
下痢をしている方が、
冷たい梨を大量に食べれば、
かえって身体に合わない場合があります。
季節だけではなく、自分の身体に合わせる。
これが食養生の基本です。
④ 水分補給は「夏と同じ量」にこだわらない
秋になっても水分補給は必要です。
ただし、
気温。
発汗量。
運動量。
食事。
体調。
によって必要量は変わります。
胃がちゃぷちゃぷする。
食欲がない。
むくみやすい。
身体が重い。
という方では、
一度に大量に飲むのではなく、
少量ずつ取る方法もあります。
一方、
口や喉が乾く。
便が硬い。
という方では、
水分不足がないか確認しましょう。
⑤ 朝晩に一枚羽織る
秋口では、
日中は暑くても、
朝晩は冷えることがあります。
薄手の羽織りものを一枚持っておくと、
体温調節がしやすくなります。
特に、
首。
お腹。
腰。
足首。
などが冷えると体調を崩しやすい方は、
冷やし過ぎないようにしてください。
⑥ 寝具と冷房を秋仕様へ
寝るときは暑かったのに、
明け方になると気温が下がる。
秋口ではよくあります。
朝起きたときに、
首肩がこる。
腰が痛い。
お腹が冷たい。
鼻水が出る。
喉がおかしい。
という方は、
寝具や冷房の設定も見直してみてください。
⑦ 湯船に入る習慣を戻す
夏はシャワーだけだった方も、
秋になったら湯船に入る習慣を少しずつ戻してみてもよいでしょう。
入浴は、
身体を温めるだけではなく、
活動から休息へ切り替える時間にもなります。
ただし、
熱過ぎるお湯に長時間入る必要はありません。
疲労感が強い方や、
のぼせやすい方、
高齢の方などでは、
熱過ぎる入浴は負担になります。
心地よく温まる程度を意識してください。
⑧ 秋こそ睡眠を見直す
夏の暑さによって、
眠りが浅かった方もいます。
その睡眠不足を秋まで引きずっていることがあります。
夏と同じように夜更かしを続けるのではなく、
少しずつ睡眠時間を確保していきましょう。
秋は、
夏に消耗したものを回復させる季節
という意識を持ってみてもよいと思います。
⑨ 運動は「気持ちいい」と感じる程度から
涼しくなると、
運動を再開したくなる方も多いと思います。
身体を動かすことは大切です。
ただ、
夏の疲れが残っている状態で、
急に運動量を増やす必要はありません。
散歩。
軽いストレッチ。
短時間の運動。
からでも十分です。
翌日まで強い疲労が残る場合には、
運動量が今の身体に合っていない可能性があります。
⑩ 朝の光を浴びる
朝起きるのがつらい。
夜なかなか眠れない。
生活リズムがずれている。
という方では、
起床後にカーテンを開け、
朝の光を浴びることも意識してみてください。
睡眠と生活リズムを整えることも、
秋の体調管理では重要です。
秋におすすめのツボ
ここでは、
自宅でセルフケアとして使いやすいツボを紹介します。
ただし、
ツボは症状を消す万能なスイッチではありません。
日々の体調管理の一つとして取り入れてみてください。
足三里(あしさんり)
【場所】
膝のお皿の外側から、指4本分ほど下。
【期待される働き】
・胃腸の調子を整える
・食欲低下のセルフケア
・疲労感
・身体のだるさ
夏から胃腸が弱り、
秋になっても疲れが残っている方に使いやすいツボです。
陰陵泉(いんりょうせん)
【場所】
すねの内側を下から上へたどり、
骨の形が大きく変わる膝の内側付近。
【期待される働き】
・身体の重だるさ
・むくみ
・胃腸の重さ
・水分の巡り
湿気の影響を受けやすい方のセルフケアにも使われます。
太淵(たいえん)
【場所】
手首の親指側。
手首のしわ付近で脈を感じるところ。
【期待される働き】
・喉の乾燥
・咳
・呼吸器の不調
・秋の乾燥による不調
肺と関係する代表的なツボの一つです。
合谷(ごうこく)
【場所】
手の甲側。
親指と人差し指の骨が交わる少し手前。
【期待される働き】
・首肩こり
・頭の重さ
・鼻や喉の不調
・季節の変わり目のセルフケア
日常生活でも刺激しやすいツボです。
※妊娠中の方は、強い刺激を自己判断で行わず専門家へ相談してください。
ツボは痛いほど押す必要はありません。
5秒程度ゆっくり押して離す。
これを数回行う程度でも構いません。
心地よい範囲で行い、
痛みや違和感が出た場合には中止してください。
よくある質問
Q. 秋になると毎年体調が悪くなるのは、自律神経が弱いからですか?
必ずしもそうとは限りません。
寒暖差への対応には自律神経が関わりますが、
夏の疲労。
睡眠不足。
食欲低下。
乾燥。
冷え。
ストレス。
など複数の要因が関係することがあります。
「自律神経が弱い」と決めつけるより、
夏から現在までの身体の変化を振り返ることが大切です。
Q. 寒暖差は何度くらいから身体に負担になりますか?
「○℃以上なら必ず体調を崩す」という一律の基準で考えることはできません。
同じ気温差でも、
疲労。
睡眠。
年齢。
冷えやすさ。
体力。
などによって負担の感じ方は変わります。
自分がどの程度の変化で症状が出やすいのかを知っておくことも大切です。
Q. 秋バテはどのくらいで治りますか?
身体の状態によって異なります。
数日休んで改善する方もいれば、
夏からの疲労や睡眠不足、
胃腸の不調などが続いている場合には、
長引くこともあります。
症状が続く場合には、
「季節のせいだから」と我慢し続けず、
医療機関などで身体の状態を確認してください。
Q. 秋は肺を整えればいいですか?
秋と肺には深い関係があります。
ただし、
全員が肺だけを整えればよいわけではありません。
夏から胃腸が弱っている方では脾。
疲労が強い方では気。
乾燥が強い方では津液。
冷えが強い方では寒邪。
など、
一人ひとり状態は異なります。
Q. 秋の不調に鍼灸ではどのようなことをしますか?
木氣治療室では、
「秋バテだからこのツボ」
という形だけで施術を決めることはしていません。
いつから体調が悪いのか。
夏をどのように過ごしたのか。
食欲。
便通。
睡眠。
冷え。
乾燥。
ストレス。
そして脈や身体の状態。
こうした情報を重ねながら、
一人ひとりに合わせて施術を組み立てます。
「季節のせい」で済ませず医療機関へ相談してほしい症状
秋は季節の変わり目なので、
多少のだるさや眠気が出ることがあります。
しかし、
すべてを「秋バテ」や「自律神経の乱れ」と考えるのは危険です。
例えば、
・強い胸痛
・強い息苦しさ
・意識の異常
・突然の激しい頭痛
・手足の麻痺
・言葉が出にくい
・高熱が続く
・繰り返し嘔吐する
・食事や水分がほとんど取れない
・急激に体重が減る
・強い倦怠感が長期間続く
などがある場合には、
医療機関へ相談してください。
また、
セルフケアを続けても改善しない場合や、
仕事や学校など日常生活へ影響が出ている場合にも、
「季節だから仕方ない」と我慢し続けないことが大切です。
木氣治療室で臨床していて思うこと
季節の変わり目に体調を崩した方から、
「最近、急に調子が悪くなった」
と言われることがあります。
しかし詳しくお話を聞くと、
実は夏から食欲が落ちていた。
ずっと眠りが浅かった。
疲れが抜けていなかった。
便通が変わっていた。
ということがあります。
身体は、
症状が出た日に突然悪くなったとは限りません。
症状として自覚する前から、
小さな変化が積み重なっていることがあります。
だから私は、
「いつから痛いですか?」
「いつからだるいですか?」
だけではなく、
その前の生活まで聞くようにしています。
何を食べていたのか。
眠れていたのか。
どのくらい汗をかいたのか。
冷房の中に長くいたのか。
仕事は忙しかったのか。
精神的な負担はなかったのか。
そして、
現在の身体や脈はどうなっているのか。
こうした情報を重ねながら、
その人の身体を考えます。
東洋医学では、
「秋だから肺」
「疲れているからこのツボ」
と決めるのではなく、
その方がどのような身体で秋を迎えているのか
を見ることが大切だと考えています。
まとめ|秋の不調は「夏から続いている身体」を見る
秋になると、
寒暖差。
乾燥。
朝晩の冷え。
など、
身体を取り巻く環境が大きく変わります。
しかし、
秋の体調不良を考えるときに忘れてほしくないことがあります。
それは、
身体は秋になった瞬間にリセットされるわけではない
ということです。
夏の暑さで消耗した気。
大量の汗によって失われた津液。
冷たい飲食物や湿気によって負担を受けた胃腸。
暑さによる睡眠不足。
冷房による冷え。
こうしたものを抱えたまま、
身体は秋へ入っていきます。
そこへ、
乾燥。
寒暖差。
朝晩の冷え。
が加わることで、
だるさ。
疲労感。
頭痛。
めまい。
胃腸症状。
乾燥。
便秘。
冷え。
睡眠の変化。
などが現れることがあります。
だからこそ、
「寒暖差で自律神経が乱れた」
だけで終わらせず、
なぜ今、自分の身体が季節の変化に対応しにくくなっているのか
を考えてみてください。
木氣治療室では、
今出ている症状だけではなく、
夏からどのように身体が変化してきたのか。
食欲。
睡眠。
便通。
冷え。
乾燥。
ストレス。
そして脈。
こうした情報を一つずつ確認しながら、
その日の身体に合わせて施術を行っています。
季節の変わり目は、
身体が変化する時期です。
だからこそ、
小さな不調を見逃さず、
秋から冬へ向けて身体を整えていくことが大切だと考えています。
※本記事で紹介している「気虚」「脾虚」「津液」「燥邪」「寒邪」「肺」などは東洋医学における身体の捉え方であり、西洋医学の診断名を示すものではありません。症状が強い場合や長期間続く場合は、医療機関へご相談ください。



















