エアコンで体調が悪い・身体がだるいのはなぜ?冷房による冷えと自律神経の関係を東洋医学で解説

エアコンを使い始めてから身体がだるい、手足が冷える、頭痛や肩こり、胃腸の不調が増えた…。
冷房による体調不良には、室内外の温度差や自律神経、身体の冷えが関係していることがあります。
木氣治療室が西洋医学と東洋医学の両面から詳しく解説します。
結論|エアコンによる体調不良は「冷え」だけの問題ではありません
暑い屋外から冷房の効いた室内に入ると、最初は気持ちよく感じます。
しかし、長時間エアコンの風に当たっていると、
・身体がだるくなる
・手足が冷える
・肩や腰が痛む
・頭痛がする
・お腹の調子が悪くなる
・食欲が落ちる
・夜になっても疲れが取れない
といった不調を感じる方がいます。
こうした状態は、一般に「冷房病」や「クーラー病」と呼ばれることがありますが、正式な病名ではありません。
また、冷房そのものが悪いわけでもありません。
現在の日本の猛暑では、熱中症を予防するためにも、エアコンを適切に使用し、涼しい環境で過ごすことが重要です。
問題になるのは、
・冷風が身体へ直接当たり続けている
・室内外の温度差を一日に何度も行き来する
・汗で濡れた身体が急に冷やされる
・冷たい飲み物や食事が増えている
・もともと体力や胃腸の働きが低下している
といった条件が重なることです。
東洋医学では、エアコンによる体調不良を、単純に「身体が冷えた」とだけ考えません。
屋外の暑さによる消耗。
汗による気や津液の不足。
湿気による身体の重さ。
冷風による寒邪。
胃腸の弱り。
こうした複数の要因を含めて、現在の身体の状態を考えていきます。
この記事はこんな方におすすめです
次のような症状はありませんか?
・エアコンの部屋にいると身体がだるくなる
・職場で手足が冷える
・冷房の風が当たると肩や腰が痛い
・夏になると胃腸の調子が悪くなる
・外は暑いのに身体の内側が冷えている感じがする
・冷房を使い始めてから頭痛が増えた
・エアコンをつけて寝ると、朝に身体が重い
・夏になると風邪のような症状を繰り返す
・自律神経が乱れている気がする
当てはまるものがある方は、エアコンの設定温度だけでなく、身体がどのような影響を受けているのかを見直してみることが大切です。
この記事で分かること
この記事では、
・エアコンで体調が悪くなる原因
・冷房と自律神経の関係
・冷房による冷えと頭痛、肩こり、胃腸症状
・東洋医学で考える寒邪・暑邪・湿邪
・木氣治療室で臨床していて感じる傾向
・エアコンと上手に付き合う方法
・自宅でできるセルフケア
について詳しく解説します。
エアコンによる体調不良とは?
「エアコンを使うと体調が悪くなる」と感じる方はいますが、原因は一つではありません。
主に考えられるのは、
1.室内外の大きな温度差
2.冷風が身体へ直接当たること
3.長時間同じ姿勢で冷やされること
4.暑さと発汗による体力消耗
5.冷たい飲食物による胃腸への負担
6.睡眠環境が身体に合っていないこと
などです。
これらが重なることで、
・身体のだるさ
・疲労感
・頭痛
・肩こり
・腰痛
・手足の冷え
・食欲不振
・腹痛や下痢
・睡眠の質の低下
といった症状につながることがあります。
室内外の温度差と自律神経
自律神経は、
・体温
・発汗
・血管の収縮と拡張
・心拍
・消化
・睡眠
などを自動的に調節しています。
暑い屋外では、身体は熱を逃がすために汗をかき、皮膚の血流を増やします。
一方、冷房の効いた室内へ入ると、今度は熱を逃がし過ぎないように血管を収縮させます。
猛暑の屋外と冷房の効いた室内を一日に何度も行き来すると、身体はそのたびに環境へ適応しなければなりません。
その結果、
・疲れやすい
・身体がだるい
・頭が重い
・食欲が落ちる
・眠りが浅い
と感じる方もいます。
ただし、温度差があると必ず自律神経が乱れるという単純なものではありません。
同じ環境でも、
・睡眠不足
・ストレス
・体力低下
・胃腸の弱り
・慢性的な疲労
がある方ほど、環境変化へ対応しにくくなることがあります。
木氣治療室でも、冷房による不調を訴える方を診る際には、温度差だけでなく、その方の体力、食事、発汗量、睡眠なども確認しています。
冷風が直接当たると肩や腰が痛くなる理由
職場のデスクがエアコンの真下にある。
電車の冷風が首へ当たり続ける。
寝ている間、腰や脚へ直接風が当たっている。
このような環境では、身体の一部分だけが長時間冷やされることがあります。
身体が冷えると筋肉が緊張しやすくなり、もともと負担がかかっていた肩や腰、膝などに、痛みやこわばりを感じることがあります。
特にデスクワークでは、
・長時間同じ姿勢
・運動不足
・首や肩への冷風
・パソコン作業による緊張
が重なります。
そのため「エアコンだけが原因」というよりも、すでに疲労や緊張がたまっていた部分へ冷えが加わり、症状が表面化したと考えた方が自然なケースもあります。
汗をかいた身体が急に冷やされる
夏の屋外では、短時間でも多くの汗をかきます。
そのまま冷房の効いた室内へ入ると、汗が蒸発するときに身体の熱も奪われます。
さらに、濡れた衣服を着たまま冷風に当たり続ければ、首や背中、お腹などが冷えやすくなります。
すると、
・寒気がする
・身体がだるい
・首や肩がこる
・お腹が冷える
・風邪のような症状が出る
と感じる方もいます。
特に、
屋外で汗をかく
↓
そのまま冷房の効いた電車や職場へ入る
↓
汗で濡れた身体へ冷風が当たり続ける
という流れは、現代の夏では珍しくありません。
夏の胃腸の不調は冷房だけではない
夏になると、
・食欲がない
・胃が重い
・お腹を壊しやすい
・食後にだるくなる
という方が増えます。
原因としては、
・暑さそのものによる食欲低下
・冷たい飲み物や食事の増加
・睡眠不足
・大量の発汗
・湿度の高さ
・自律神経への負担
などが考えられます。
「冷房で胃腸が冷えた」という要素だけでなく、暑さによる消耗や食生活の変化まで含めて考える必要があります。
東洋医学では、食べたものから気や血を作り、水分を巡らせる働きを「脾」と関係づけます。
冷たい飲み物や食べ物が続き、食欲が落ち、さらに湿気の多い環境が重なると、脾の働きが弱り、身体の重さや疲労感につながることがあります。
エアコンを切って寝る方がよいとは限りません
「冷房は身体に悪そうだから、寝るときは消している」
という方もいます。
しかし、現在の夏では、夜間でも室温が高い日があります。
暑さで何度も目が覚めたり、大量の汗をかいたりすれば、睡眠の質が低下し、翌日の疲労につながります。
また、室内でも熱中症は起こるため、冷房を我慢することはおすすめできません。
大切なのは、
・エアコンを使うか、使わないか
ではなく、
・眠りやすい室温になっているか
・冷風が身体へ直接当たっていないか
・身体の一部分だけが冷えていないか
・湿度が高過ぎないか
を確認することです。
快適に感じる室温には個人差があります。
設定温度だけを見るのではなく、実際の室温や湿度、身体の反応を確認しながら調整することが大切です。
東洋医学ではエアコンによる不調をどう考える?
東洋医学では、
「冷房の温度が低かったから身体が冷えた」
ということだけでなく、
・冷風を受ける前に身体がどのような状態だったのか
・汗をどの程度かいていたのか
・もともと体力が低下していなかったか
・胃腸の働きは落ちていなかったか
・湿気や暑さの影響も重なっていないか
まで含めて考えていきます。
現代の夏は単純に暑い季節ではありません。
屋外では猛暑の影響を受け、室内へ入れば冷房の冷気にさらされます。
さらに冷たい飲み物や食事が増え、梅雨から続く湿気の影響も残っています。
東洋医学から見ると、現代の夏は、
暑邪・湿邪・寒邪が複雑に重なりやすい季節
ともいえるのです。
冷房による冷えと「寒邪」
東洋医学では、身体へ悪影響を与えるほどの冷えを「寒邪(かんじゃ)」として考えます。
寒邪は冬の寒さだけを指すものではありません。
夏であっても、
・エアコンの冷風
・冷たい飲み物や食べ物
・汗で濡れた衣服
・冷えた床や椅子
・濡れた髪のまま過ごすこと
などによって、身体が冷えの影響を受けることがあります。
特に冷房の風が首、肩、背中、お腹、足元などへ長時間直接当たっていると、その部分に冷えやこわばりを感じやすくなります。
東洋医学では、寒邪には大きく分けて、
・凝滞
・収引
という特徴があると考えます。
寒邪の「凝滞」とは?
凝滞とは、冷えによって気や血の巡りが滞りやすくなる性質です。
冬の寒い日に手足がかじかみ、身体を動かしにくくなることを想像すると分かりやすいと思います。
冷えによって身体の巡りが悪くなると、
・肩が痛い
・腰が痛い
・膝が痛む
・首が動かしにくい
・お腹が痛い
・手足が冷える
といった症状につながることがあります。
東洋医学には、
「通ぜざれば則ち痛む」
という考え方があります。
これは、気や血が滞りなく巡っていれば痛みは起こりにくいものの、何らかの原因で巡りが滞ると、痛みにつながるという意味です。
エアコンの冷風を受けてから肩や腰が痛くなった方では、もともと負担のかかっていた部位へ冷えが加わり、気血の巡りがさらに滞った可能性も考えます。
寒邪の「収引」とは?
収引とは、冷えによって身体が縮こまり、筋肉や関節がこわばりやすくなる性質です。
寒い場所にいると、無意識に肩をすくめたり、背中を丸めたりすることがあります。
冷房の効いた室内でも、身体が冷えている状態が続けば、
・肩が上がる
・首がこわばる
・背中が張る
・脚がつる
・関節が動かしにくい
といった変化が起こることがあります。
もともとデスクワークで同じ姿勢が続いている方や、運動不足の方では、冷えによるこわばりが加わることで症状が強くなることもあります。
汗をかいた後は冷えの影響を受けやすい
東洋医学では、汗をかいているときは身体の表面が開き、外からの影響を受けやすい状態になると考えます。
真夏の屋外を歩き、汗をたくさんかく。
そのまま電車や職場へ入り、強い冷風を受ける。
現代では日常的な流れですが、身体にとっては大きな環境変化です。
汗をかいた後に冷風を受けると、
・首筋が冷える
・背中がゾクゾクする
・頭が重くなる
・鼻水が出る
・身体がだるくなる
・風邪のような症状が出る
という方もいます。
このような場合、単純に身体が冷えただけとは考えません。
暑さと発汗によって体力を消耗したところへ、冷えが加わっています。
つまり、
暑邪で消耗した身体へ、寒邪が加わった状態
として考えることがあります。
夏風邪のような症状と冷房
夏になると、
・喉が痛い
・鼻水が出る
・身体がだるい
・頭が重い
といった、風邪のような症状で来院される方もいます。
もちろん、感染症などの病気の可能性もあるため、発熱や強い症状がある場合は医療機関での確認が大切です。
一方で生活背景を伺うと、
・屋外で大量に汗をかいた
・汗で濡れた服のまま冷房に当たった
・就寝中に冷風が首や背中へ当たり続けた
・冷たい飲み物を大量に取っていた
といった状況がみられることがあります。
東洋医学では、風の性質を持つ「風邪」と、冷えの性質を持つ「寒邪」が組み合わさった状態を「風寒」と考えることがあります。
風寒の影響では、
・寒気
・首や肩のこわばり
・頭痛
・鼻水
・身体のだるさ
などが現れることがあります。
夏だから風寒は起こらないというわけではありません。
エアコンのある現代だからこそ、夏でも冷えによる外邪の影響を受けることがあります。
エアコンによる胃腸の不調と「脾」
エアコンによる不調は、肩や腰の痛みだけではありません。
夏になると、
・食欲がない
・胃が重い
・お腹が張る
・下痢をしやすい
・食後に身体がだるい
という方も増えます。
東洋医学では、食べたものを消化吸収し、身体に必要な気や血を作り、水分を巡らせる働きを「脾」と関係づけます。
脾は冷えや湿気の影響を受けやすいと考えられています。
夏は冷房だけでなく、
・冷たい飲み物
・アイス
・冷たい麺類
・高い湿度
・食欲低下
など、胃腸へ負担がかかりやすい条件が重なります。
その結果、脾の働きが低下すると、
食事から十分な気を作れない。
水分の巡りが悪くなる。
身体が重くなる。
さらに食欲が落ちる。
という悪循環につながることがあります。
外では暑く、内側は冷えていることもある
患者さんから、
「身体は暑いのに、お腹や足は冷たい」
と言われることがあります。
このような状態は、決して珍しくありません。
外へ出れば汗が出るほど暑い。
しかし室内では、エアコンの風を長時間受けている。
冷たい飲み物を何度も飲み、食事も冷たいものが中心になっている。
このような生活が続けば、身体の表面には熱感があっても、お腹や手足は冷えているという状態になることがあります。
そのため、
「暑いと言っているから身体全体に熱がある」
「夏だから温めてはいけない」
とは一概にはいえません。
反対に、手足が冷えているからといって、猛暑の中で全身を強く温めればよいわけでもありません。
東洋医学では、寒熱が身体のどこにあり、どのように現れているのかを考えることが大切です。
暑邪・湿邪・寒邪が同時に重なる現代の夏
現代の夏の体調不良が複雑なのは、一つの邪だけでは説明しにくいことです。
屋外の猛暑で暑邪の影響を受ける。
汗をかき過ぎて気や津液を消耗する。
日本特有の湿気で身体が重くなり、胃腸も弱る。
冷房の効いた室内へ入り、寒邪の影響を受ける。
冷たい飲み物や食事によって、さらに胃腸へ負担をかける。
このように、
暑・湿・寒が一日の中で何度も入れ替わる
ことがあります。
その結果、
・だるい
・食欲がない
・身体が重い
・手足が冷える
・頭痛がする
・肩や腰が痛む
・眠れない
など、さまざまな症状が重なって現れることがあります。
だからこそ、エアコンによる不調を、
「冷房病だから温めればいい」
と単純に考えることはできません。
三因方から考えるエアコンによる不調
木氣治療室では、東洋医学の病因を考える際に古典本である「三因方」の考え方も大切にしています。
三因方では、病気の原因を大きく、
・外因
・内因
・不内外因
に分けて考えます。
エアコンによる不調の場合、外から受ける冷風や温度差は「外因」に関係します。
しかし、それだけではありません。
仕事や人間関係のストレスは「内因」。
睡眠不足、食生活の乱れ、過労、冷たいものの取り過ぎなどは「不内外因」として考えることができます。
例えば、同じ冷房の効いた職場にいても、全員が体調を崩すわけではありません。
もともと疲労が蓄積している。
睡眠が不足している。
胃腸が弱っている。
強いストレスを抱えている。
こうした身体の内側の状態があることで、外からの冷えの影響を受けやすくなることがあります。
つまり、エアコンだけを悪者にするのではなく、
冷えを受けやすくなっていた身体の状態も含めて考える
ことが重要です。
井上式脈状診では「症状名」だけで判断しない
木氣治療室では、井上式脈状診を用いて、その時の身体の状態を確認しています。
「エアコンで肩が痛くなった」
と聞けば、一般的には冷えが原因と考えるかもしれません。
しかし、実際の身体を診ると、
・冷えの影響が強く現れている方
・暑さで体力を消耗している方
・湿気によって身体の水分が停滞している方
・ストレスで気の巡りが悪くなっている方
・複数の状態が重なっている方
一人ひとり違います。
井上式脈状診では、人迎気口診や六部定位脈診などを通して、外から受けた影響なのか、身体の内側の弱りが中心なのか、どの臓腑が関係しているのかなどを考えていきます。
一般の方から見ると、同じ「肩が痛い」「身体がだるい」という症状でも、脈に現れている状態は同じとは限りません。
そのため木氣治療室では、
「エアコンによる不調だから、身体を温める施術」
と一律には決めません。
その日の脈や身体の状態から病証を考え、一人ひとりに合わせて施術します。
木氣治療室で実際に増えているエアコンによる不調
梅雨明けから本格的にエアコンを使い始める時期になると、木氣治療室でも、
・肩や首が痛くなった
・腰が重くなった
・膝が痛む
・身体がだるい
・食欲が落ちた
・胃腸の調子が悪い
・夏風邪のような症状が続く
というご相談が増える印象があります。
もちろん、すべてがエアコンだけで説明できるわけではありません。
しかしお話を伺っていると、
「職場のエアコンが強い」
「一日中冷房の中で仕事をしている」
「寝るときに身体へ直接風が当たっている」
という共通点がみられることがあります。
ケース①|職場で肩が冷えて痛くなる
比較的よくあるのが、
「会社へ行くと肩が痛くなる」
というケースです。
ご本人は、
「仕事の姿勢が悪いからかな」
と思われていました。
確かに、長時間のパソコン作業による負担はあります。
しかし詳しく伺うと、デスクの真上にエアコンがあり、首から肩へ一日中冷風が当たっていました。
仕事が終わる頃になると肩が重くなり、休日になると少し楽になる。
このような経過でした。
この場合、
・姿勢
・冷え
・筋肉の疲労
が重なっている可能性があります。
東洋医学では、寒邪による気血の巡りの停滞も考えます。
実際には冷えだけでなく、その方の体力や脈の状態も確認しながら施術を行います。
ケース②|腰だけ冷えて痛くなる
もう一つ多いのが、
「腰だけが冷える」
というご相談です。
特に女性に多い印象があります。
・スカートで仕事をしている
・冷房の風が足元へ流れている
・長時間座っている
このような環境では、腰や骨盤周囲だけが冷え続けることがあります。
患者さんの中には、
「外へ出ると暑いのに、職場では腰だけ寒い」
と話される方もいます。
冷えた状態で筋肉の緊張が続けば、腰の張りや痛みにつながることがあります。
木氣治療室では、腰だけを見るのではなく、身体全体の状態や脈も確認しながら施術を行います。
ケース③|冷房を使い始めてから胃腸の調子が悪い
エアコンによる不調は、肩や腰だけではありません。
「夏になると食欲がなくなる」
「お腹を壊しやすい」
「胃が重い」
という方もいます。
詳しく生活を伺うと、
・冷たい飲み物が増えている
・アイスを毎日食べる
・そうめんなど冷たい食事が中心
・一日中エアコンの中で仕事をしている
という生活になっていることがあります。
東洋医学では、胃腸の働きと関係する脾は、湿気だけでなく冷えの影響も受けやすいと考えます。
そのため、
・食欲低下
・胃もたれ
・お腹の張り
・身体の重さ
が同時に現れることがあります。
ケース④|夏風邪のような症状が続く
夏になると、
「風邪をひいたような感じがする」
というご相談も少なくありません。
・身体がだるい
・頭が重い
・寒気がある
・鼻水が出る
・首や肩が張る
しかし、冬の風邪とは少し様子が違う。
生活を伺うと、猛暑の屋外で汗をかき、そのまま冷房の効いた室内へ入る生活を繰り返していることがあります。
東洋医学では、汗をかいた後は外からの影響を受けやすい状態と考えます。
そこへ冷房の風が加われば、身体が冷え、風寒のような状態になることがあります。
もちろん感染症との区別は必要ですが、生活背景まで確認することで、身体に起きていることが見えてくる場合があります。
木氣治療室で臨床していて思うこと
エアコンによる不調を訴える患者さんを診ていて感じるのは、
冷えだけが問題ではない
ということです。
実際には、
暑さで体力を消耗し、
食欲が落ち、
睡眠不足になり、
さらに冷房による冷えが加わる。
このように複数の要因が重なっている方が多くみられます。
そのため、
「冷房をやめれば治る」
というものではありません。
現在の猛暑では、熱中症予防のためにもエアコンは必要です。
だからこそ大切なのは、
身体が冷え過ぎない環境を作ること
そして、
暑さや疲労で弱った身体を回復させること
だと考えています。
木氣治療室では、症状だけを見るのではなく、生活習慣、仕事環境、睡眠、食事、そして井上式脈状診による脈の状態を確認しながら、その方に合わせた施術を行っています。
今日からできるエアコンによる体調不良のセルフケア
現在の日本の夏では、エアコンは熱中症を予防するためにも欠かせないものです。
そのため、
「エアコンを使わない」
ことが対策ではありません。
大切なのは、
身体を冷やし過ぎないように上手に付き合うこと
です。
1.エアコンの風を直接身体へ当てない
もっとも意識していただきたいのが、冷風を直接身体へ当て続けないことです。
特に、
・首
・肩
・背中
・腰
・お腹
・膝
・足首
などは冷えの影響を受けやすい部位です。
職場で風向きを変えられない場合は、
・カーディガン
・ストール
・ひざ掛け
などを活用するだけでも違います。
就寝中も、身体へ直接風が当たり続けないように風向きを調整してみてください。
2.汗をかいたら、そのまま冷房へ当たらない
汗で濡れたまま冷房へ入ると、急激に身体が冷えることがあります。
可能であれば、
・タオルで汗を拭く
・着替えられる場合は着替える
・濡れた衣服を長時間着続けない
ことを意識しましょう。
スポーツや外回りの仕事をされる方には、特に大切なポイントです。
3.冷たい飲み物ばかりにならないようにする
暑い日は冷たい飲み物がおいしく感じます。
もちろん、熱中症予防のためにも水分補給は重要です。
ただし、
・胃が重い
・食欲がない
・お腹を壊しやすい
・身体がだるい
という状態であれば、常温の飲み物や温かい汁物なども取り入れてみるとよいでしょう。
東洋医学では、胃腸をいたわることも夏の体調管理では大切だと考えています。
4.食事は冷たいものだけで終わらせない
夏になると、
そうめん。
冷やし中華。
アイス。
という食事が増える方もいます。
食欲がないときに、無理にたくさん食べる必要はありません。
しかし、身体を回復させる材料は必要です。
例えば、
・卵
・豆腐
・鶏肉
・魚
・野菜
などを一品加えるだけでも、栄養バランスは変わります。
夏だからこそ、胃腸をいたわりながら、身体を支える食事を意識してみてください。
5.軽く身体を動かす
冷房の効いた部屋では、長時間同じ姿勢になりやすくなります。
特にデスクワークでは、肩や首、腰の筋肉が固まりやすくなります。
一時間に一度でも構いません。
・立ち上がる
・肩を回す
・首をゆっくり動かす
・軽く歩く
など、短時間でも身体を動かす時間を作ってみてください。
筋肉が動くことで血流も促され、冷えによるこわばりの予防にもつながります。
6.睡眠環境を整える
「冷房をつけっぱなしで寝るのは身体に悪い」
と思われる方も少なくありません。
しかし、暑くて何度も目が覚めてしまえば、睡眠の質は低下します。
大切なのは、
・室温
・湿度
・風向き
を調整し、身体が冷え過ぎない環境を作ることです。
暑さを我慢して眠れない状態よりも、快適に眠れる環境を整える方が身体の回復につながります。
東洋医学でおすすめするセルフケアのツボ
風池(ふうち)
首の後ろ、髪の生え際にあるツボです。
首や肩の緊張、頭の重さ、冷房による首のこわばりなどに用いられることがあります。
足三里(あしさんり)
膝の外側の少し下にあるツボです。
胃腸の働きや身体の元気と関係する代表的なツボです。
夏の疲れや食欲低下が気になる方にも用いられます。
合谷(ごうこく)
手の親指と人差し指の間にあるツボです。
肩や首の緊張、頭痛などでも使われることがあります。
内関(ないかん)
手首の内側にあるツボです。
胃の不快感や吐き気などに用いられることがあります。
ツボは強く押せばよいわけではありません。
痛みを我慢せず、心地よいと感じる程度の刺激を目安にしてください。
よくある質問
Q.エアコンは身体に悪いので使わない方がいいですか?
いいえ。
現在の日本の夏では、熱中症予防のためにもエアコンは必要です。
暑い部屋で我慢する方が危険な場合もあります。
大切なのは、冷やし過ぎないように使うことです。
Q.冷房で肩や腰が痛くなるのですが、温めた方がいいですか?
冷えが関係している場合もありますが、すべての方に同じ対応が当てはまるわけではありません。
もともとの筋肉の状態や、暑さによる疲労、湿気の影響なども関係することがあります。
痛みが続く場合は、一度身体全体の状態を確認することをおすすめします。
Q.エアコンでお腹を壊しやすくなります
冷房だけでなく、冷たい飲み物や食事、睡眠不足、胃腸の疲れなども関係していることがあります。
特に食欲低下や身体のだるさもある場合は、胃腸への負担が重なっている可能性があります。
Q.冷房をつけて寝ても大丈夫ですか?
暑さで何度も目が覚める場合は、冷房を使って睡眠環境を整えることも大切です。
設定温度だけではなく、実際の室温、湿度、風向き、身体の冷え方を確認してください。
冷風が身体へ直接当たり続けないように調整しましょう。
Q.鍼灸ではどのように診ますか?
木氣治療室では、「エアコンによる不調」という症状名だけでは判断しません。
生活環境や睡眠、食事、発汗、冷えの部位、そして井上式脈状診による脈の状態を確認し、現在のお身体の状態に合わせて施術を行います。
まとめ|エアコンは「敵」ではなく使い方が大切
エアコンによる体調不良には、
・室内外の温度差
・冷風による冷え
・暑さによる体力消耗
・胃腸への負担
・睡眠不足
・湿気
など、さまざまな要因が関係しています。
東洋医学では、寒邪だけでなく、暑邪や湿邪、そしてその方自身の体力や胃腸の状態まで含めて身体を考えます。
だからこそ、
「冷房病だから温めればいい」
という単純なものではありません。
ご自身の身体が今どのような状態なのかを知り、夏の環境とうまく付き合うことが大切です。
「毎年夏になると調子が悪くなる」
「エアコンを使い始めると身体がつらい」
という方は、身体からのサインかもしれません。
木氣治療室からお伝えしたいこと
エアコンは、現代の夏を安全に過ごすために欠かせないものです。
だからこそ、
「エアコンが悪い」
と考えるのではなく、
どう付き合うか
が大切だと考えています。
実際の臨床では、冷房だけが原因で不調になっている方はほとんどいません。
暑さによる疲労。
睡眠不足。
胃腸の弱り。
湿気。
仕事による疲労。
そこへ冷房による冷えが加わり、症状が現れていることが多い印象です。
木氣治療室では、症状だけではなく、生活習慣や季節、天候、そして井上式脈状診による脈の状態まで確認しながら、一人ひとりに合わせた施術を行っています。
身体が冷えている。
身体がだるい。
肩や腰が痛い。
夏風邪のような症状が続く。
こうした状態を、
「エアコンだから仕方ない」
と我慢せず、一度身体の状態を見直してみてください。
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