食べすぎていないのに太るのはなぜ?

― 東洋医学で考える「太りやすい体質」 ―

太っている写真

「食べすぎているわけではないのに太る」

そう感じたことはありませんか?

  • 昔より太りやすくなった
  • 同じ食事量なのに体重が増える
  • むくみやすくなった
  • 下半身に脂肪がつきやすい

こうした悩みはとても多く、治療院でもよく相談を受けます。

西洋医学では一般的に

摂取カロリー > 消費カロリー

というエネルギーバランスで説明されます。

もちろんそれも大切な視点ですが、
実際の臨床では

「食事量は変わらないのに太る」

というケースが少なくありません。

東洋医学では、
このような状態を

体のバランスの乱れ

として捉えます。

つまり太ることは、
体の働きが変化しているサインでもあるのです。

東洋医学の古典に見る「肥満」の考え方

実は東洋医学では、
肥満についての考え方は古くから記されています。

中国最古の医学書である
『黄帝内経(こうていだいけい)』には

「肥人多痰(ひじんたたん)」

という言葉があります。

これは

肥えた人は痰が多い

という意味です。

ここでいう「痰」とは、
喉に出る痰だけではありません。

東洋医学では、

  • 余分な水分
  • 老廃物
  • 代謝の滞り

など、体の中に溜まった不要なものを
広い意味で「痰」と呼びます。

つまり古典では、

太る=体の中の巡りが停滞している状態

と考えられていました。

東洋医学で考える肥満の基本

「痰湿(たんしつ)」という状態

東洋医学では肥満を

痰湿(たんしつ)

という状態と関係づけて考えます。

痰湿とは、

体の中に
余分な水分や老廃物が
溜まっている状態です。

この痰湿が増えると、

  • 体が重い
  • むくみやすい
  • 脂肪がつきやすい
  • 疲れやすい

といった状態になります。

つまり、

太る=巡りが悪くなっている状態

と考えます。

古典にあるもう一つの重要な言葉

「気行則水行」

古典にはさらに、

「気行則水行(きこうすなわちすいこう)」

という言葉があります。

これは

気が巡れば水も巡る

という意味です。

逆に言えば、

気の巡りが悪くなると
水分も停滞します。

すると

  • むくみ
  • 痰湿
  • 脂肪

が増えやすくなります。

つまり古典でも

肥満=巡りの停滞

という考え方が基本にあります。

太りやすくなる原因①

脾(ひ)の弱り

東洋医学では
食べ物をエネルギーに変える臓を

と呼びます。

脾は、

  • 消化
  • 吸収
  • 栄養の運搬

を担当しています。

この働きが弱くなると、

食べ物がうまく処理されず
余分な水分や脂肪が溜まりやすくなります。

すると

  • むくみ
  • 脂肪
  • 痰湿

が増えていきます。

「膏梁之疾(こうりょうのしつ)」

古典には

膏梁之疾

という言葉があります。

これは

  • 脂っこいもの
  • 甘いもの
  • 栄養過多の食事

を摂りすぎることで起こる病を意味します。

現代でいう

  • 生活習慣病
  • 肥満
  • 糖代謝異常

に近い概念です。

特に

  • 甘いもの
  • 冷たい飲み物
  • 過度な間食

が多い人は
脾が弱りやすい傾向があります。

太りやすくなる原因②

水分代謝の低下

体の水分は

によって管理されています。

この働きが弱くなると
水分が体に溜まりやすくなります。

すると

  • むくみ
  • 体重増加
  • 脂肪の増加

につながります。

特に

水太りタイプ

の人はこの傾向が強いです。

太りやすくなる原因③

気血津液の写真

気の巡りの低下(ストレス)

東洋医学では
体を巡るエネルギーを

と呼びます。

しかしストレスが多いと
気の流れが滞ります。

この状態を

気滞(きたい)

と言います。

気滞になると、

  • 代謝が落ちる
  • 食欲が乱れる
  • 脂肪が燃えにくくなる

といった状態になります。

いわゆる

ストレス太り

はこのタイプが多いです。

血の巡りの低下も関係する

瘀血(おけつ)

血の巡りが悪い状態を

瘀血(おけつ)

と言います。

瘀血があると

  • 脂肪が落ちにくい
  • セルライト
  • 冷え
  • 下半身太り

が起こりやすくなります。

症例

食事量は変わらないのに太りやすくなった方

40代女性。

「食べていないのに太る」という相談。

状態を確認すると

  • 冷え性
  • むくみ
  • 胃腸が弱い
  • 疲れやすい

典型的な

痰湿+脾虚タイプ

でした。

施術では

  • 胃腸機能の調整
  • 水分代謝の改善
  • 巡りを整える施術

を行いました。

さらに

セルフケアとして

  • 冷たい飲み物を常温へ
  • 朝の味噌汁
  • 甘い物の頻度を減らす

この3つを実施。

3か月後には

  • むくみ減少
  • 体重 −3kg
  • 体の重さ改善

となりました。

太り方にもタイプがある

東洋医学では
肥満にも体質があります。

痰湿タイプ

特徴

  • むくみやすい
  • 体が重い
  • お腹まわりの脂肪

気滞タイプ

特徴

  • ストレス太り
  • 食欲が不安定
  • お腹が張る

血瘀タイプ

特徴

  • 冷え
  • セルライト
  • 下半身太り

気虚タイプ

特徴

  • 疲れやすい
  • 運動が苦手
  • 基礎代謝が低い

体質によって対策は変わります。

東洋医学的な食事の考え方

太りやすい人は

  • 冷たい食べ物
  • 甘いもの
  • 脂っこいもの

を摂りすぎていることが多いです。

おすすめは

  • 温かい食事
  • 味噌汁
  • 根菜
  • 生姜

体を温め、
脾の働きを助ける食事です。

生活習慣で意識したいこと

  • 夜更かしを減らす
  • 湯船につかる
  • 軽い運動
  • 甘い物の頻度を減らす

これだけでも体は変わります。

太りやすい体質におすすめのツボ

足三里(あしさんり)

場所
→膝のお皿の下から指4本分下
すねの外側

効果

  • 消化機能改善
  • 代謝向上
  • 体力アップ

陰陵泉(いんりょうせん)

場所
→すねの骨の内側のキワを下から膝へむかってなぞると指が止まるところ

効果

  • むくみ改善
  • 水分代謝改善

中脘(ちゅうかん)

場所
→みぞおちとおへその真ん中

効果

  • 胃腸機能改善
  • 食べ過ぎ防止

まとめ

太る原因は
食べすぎだけではありません。

東洋医学では

  • 巡り
  • 水分代謝
  • ストレス
  • 体質

など体全体のバランスを見ます。

体を整えることで
自然と太りにくい体へ変わっていきます。

無理なダイエットよりも
体の働きを整えること。

それが東洋医学の考え方です。

この記事を書いた人

こんにちは。木氣治療室院長の石塚雅章です。痛みがない、病気になっていないから私は健康です、とは言えません。日常の動作や姿勢、生活習慣を見直し、予防しましょう。そして、体の不調がなく、趣味を長く続け幸せな生活を送っていただけるよう、サポートをしていきますのでよろしくお願いします。

あん摩マッサージ指圧師

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きゅう師

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